雨水-うすい-(2月19日~3月4日頃)

特徴

降る雪が雨柄と変わり、雪解けが始まるころのこと。山に積もった雪もゆっくりと解けだし、田畑を潤します。昔から、雨水は農耕を始める時期の目安とされてきました。
春一番が吹き、九州南部ではうぐいすの鳴き声が聞こえ始める。

野菜『春キャベツ』

春キャベツは、他のキャベツよりも独特の丸みがあり、重なりや巻きが緩やかで葉が柔らかく、比較的中のほうまで緑が濃く甘みがあります。昔から胃腸の調子を整える保健食として食べられていました。

野菜『辛子菜-からしな-』

辛子菜には特有の辛味と香りがあり、その種は和からしの原料となります。種子は生薬としても効果があり、神経痛や捻挫などにも湿布 として用いられます。種を絶やさない「金沢の伝統野菜」に認定されました。

魚介『蛤-はまぐり-』

雛祭りや結婚式には欠かせない縁起のよい貝です。蛤の二枚の貝殻は対のもの以外とは合わないことから夫婦和合の象徴とされ、祝事に用いられる食材となりました。

言葉『霞と霧-かすみときり-』

違いがわかるようで、わからないのが霞と霧。目で見る限りにはわかりません。霞は春の季語、霧は秋の季語とされています。霞は「たなびく」と使いますが、霧には使いません。霧は「たちのばる」と使います。

言葉『獺魚を祭る-かわうそうおをまつる-』

中国古代の天文学での七十二候では、雨水の初候は「獺祭魚(かわうそうおをまつる)」でした。かわうそが捕らえた魚を川岸に並べている様子が、人が祭りのときに物を供える様子に見えたことから生まれた季節の名前です。

七十二候

土脉潤起-つちのしょううるおいおこる-(19~23日頃)

冷たい雪が暖かい春の雨に代わり、大地に潤いをあたえる頃。寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚めます。「脉」は脈の俗字です。

霞始靆-かすみはじめてたなびく-(24~28日頃)

霧やもやのため、遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃。春に出る霧を霞(かすみ)と呼び、夜の霞は朧(おぼろ)と呼ばれます。春の霞んだ月を「朧月」(おぼろづき)と呼びます。

草木萌動-そうもくめばえいずる-(29~3/4日頃)

足もとや庭木の先にほんのりと薄緑に色づく芽が見られる頃。やわらかい春の日差しの中、草木が芽吹き、新しい命が生まれます。草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)と言います。